Building Attention

Self-Managementの予習第二弾。
これまでのところのSelf-Managementの授業の総まとめみたいな内容でした。
なので、先週までの授業の核心部分をまとめるような感じで書いてみたいと思います。

Chapter 1: You Have Only Moments to Live
Full Catastrophe Living (15th Anniversary Eddition)
Jon Kabat-Zinn, Ph.D.
Delta

全14週に渡るセルフマネジメントの授業のメインメッセージは、教授の説明によれば以下のようなコンセプトに集約されます。

1. 前半3分の2

Attention
→Awareness
 →Choices
  →Different Action
   →Different Result

という一連の流れを理解した上で、特に、attention(物事や自分自身に対する注意のあり方や、情報の受容に対する態度、技術)にフォーカスし、自分自身と、自分自身及び外界との関わり方のフォーマットを見直すことに主眼が置かれている模様。

2. 後半3分の1

1.を前提にした上で、他者との効果的な関わり方について模索する。

そして、現在は1.のまっただ中なわけですが、コンスタントに注力されているのが、いかに目の前のことに集中する力を高めるか、という部分です。というのも、ここがすべてのスタート地点になるからです。

予習した上記のチャプターでは、attentionを高めることの重要性と、attentionを高めるための具体的なエクササイズについて説明されています。

まず前者について。私たちは日常的に過去の出来事への後悔、未来への不安、妄想・想像等によって四六時中集中力が奪われ、様々なよしなしごとに思いを馳せていますが、これによって目の前の経験を十分に味わうことができず、その価値や意味を過小評価していることが多いというのが現実であると思われます。特に、人間関係も含め、慣習化してしまってほとんど自動的に反応してしまっている領域では、一つ一つの経験にはまったく重要な意味を感じなくなってしまっていることがほとんどであると思います。しかし、これは、上記の赤字で示したモデルに拠れば、最終的には人生のクウォリティそのものに悪影響を及ぼすことになります。そのため、目の前の出来事、人間関係、さらに自分自身の内面にしっかりと集中し、その意味をしっかりと受けとめていく力を養うことが非常に重要であるわけです。

そして、後者のその集中力を養うための訓練方法として紹介されているのがメディテーションです。ぶっちゃけ、要するに「瞑想」なわけですが、これは胡散臭い、と思っていました。瞑想というと、どうしても例えば頭にビジョンが浮かぶとか、麻原のように空中浮遊できるようになるとか(笑)、宗教的なイメージしかなかったからです。

しかし、実際にクラスのエクササイズの一つとして(週に3回以上やって教授にレポートします)やっていく中で、またこの本を読むことで、実は筋トレと一緒で非常に理にかなったプロセスなんだということが理解できました。

多分最も基本的な形なのだと思いますが、今エクササイズ("building attention")として課されているのは以下のような内容のものです。

①心静かに、少し姿勢を正して座る(椅子でも座禅でもなんでもいい模様)。
 目はつぶってもいいし、開いていてもいい。
②自分の意識を自然に行なわれる呼吸に向ける。
③何か感情や思考が浮かんだことに気づいたら、静かに再び呼吸に意識を戻す。

これを30分ほど繰り返すだけです。

やってみると分かりますが、色んな考え事とか感情は絶えず浮かんでは消えていきます。「このエクササイズ何の意味があるんだろう」とか「レポートになんて書こう」ということも含め。なので、②と③を何度も繰り返すことになります。これは、まさにウェートトレーニングと同じで、筋肉を曲げたり伸ばしたりというのを繰り返すようなものです。教授によれば、集中できている状態自体にはあまり意味がなくて、気が散ったり集中する状態に戻ったりというのを繰り返すこと自体に意味があるそうです。そうすることで、日常生活の中でも、心が乱されている状態から集中状態へ戻る力が徐々に高まっていくとのこと。非常に理にかなっていると思います。

今のところ、エクササイズをやっても3回に1回は寝てしまうような感じであまり進歩している感じがしませんが、日常生活では結構使えています。車の運転から人との会話、ディスカッション、勉強、読書まで、自分が集中できていないなと感じたときに、ふとエクササイズの時と同じように自分の呼吸に意識を向けると、目の前のことに対しての集中力がぐっと高まります。

まだまだ道遠しという感じですが、結構継続して探究していく価値がありそうな気がしています。