ベンチャー・キャピタル・メソッド2

クレアモントの曇り空
クレアモントの曇り空 posted from フォト蔵
やったー、終わった。1時間半ほど寝られそう。
2つめのノートも非常に面白かった。基本的にカバーしている内容は先のスタンフォードのものと同じ。ただし、HBSの方がより深く考察されている。ページ数が2倍(52ページの半分は数字だった)なので当たり前だけれども。大きく違うのは、多段階の投資が想定される場合の持ち分の計算の仕方について、スタンフォードdiscount方式(勝手に命名)現在価値を軸に考える方式で計算していたのに対して、HBSがcompound方式(同左)将来価値を軸に考える方式で計算していること。個人的には後者の方がシンプルな気がした。ほんとは一緒なのだけれども。
この二つのノートはどうやら両方とも、しかも、S→HBSの順に読むと具合がよいようだスタンフォードの方は至極シンプルに、ポイントだけをおさえて書かれているので、最初に全体像を頭にすぱっと入れてしまう上で最適。その上でハーバードの方を読めば、楽しみながらより深みに触れることが出来る。さすが忽那さん、考え抜かれた構成になっている気がしました。
いろいろ勉強になったけれど、一番の収穫は、VCの議論で「IRR」という単語を耳にするたびに感じていた違和感がすっきりしたことだ。なぜ違和感を感じていたかというと、何となくコーポレート・ファイナンスベンチャーファイナンスの議論ないし話題の中で使われる「IRR」の概念が何か違うなあと思いつつ、何が違うのかはっきりしなかった点だ。それが今回自分なりによく分かった気がする。ベンチャーファイナンスの場合も、ターミナルバリューをIRRでdiscountしてそのうちの投資家の持ち分が(最低限)投資額に等しくなるように考えるので、結局「NPV = 0」にはなるわけで、定義的にはコーポレート・ファイナンスと変わらないのだけれども、根本的に違うのは、コーポレート・ファイナンスにおいてはNPVをゼロにするようなIRRを計算によって見付けるのに対し、ベンチャーファイナンスにおいてはそれが別の観点から決められるということだ。ちなみに、後者の場合最終的にどこでNPV = 0になるように調整しているのかというと、新規投資に伴う発行株式数で調整されている。同じ言葉で、同じ定義の概念であっても、CFとVFでこんなに考え方が違ってくるんだなといういい例かもしれない。

☆ちなみに、勉強会を終えてさらに、VFの文脈では「実際の収益率」としても「IRR」が使われていることを再認識し、さらに両者の乖離が大きいことが分かりました。

と、なんかこんなまじめな記事を書いていると頭が冴えてきてしまった。寝なくちゃ。。。


PS
途中へばりそうになった時間帯に早稲田の皆様のペコリナイトによって見事復活することができました。大感謝でございます(笑) I-Banquet最高やね(笑)