燃ゆるとき

高杉良「燃ゆるとき」(講談社文庫、1999年)

築地で他社の冷蔵庫を借り、まぐろの買い付け、輸出の事業からスタートした東洋水産。やがて自社で冷蔵庫を持ち、魚肉製品から「赤いきつね」等インスタントラーメンの製造・販売まで事業を多角化し、海外にも進出。一部上場の大企業にまで発展する。本作品は同社の創業30周年に至るまでの過程を、創業者森和夫氏を主人公に活き活きと描いたもの。

何よりの見せ場は、全編にあふれる森さんの人間的魅力。揺るぎない信念と判断力を持ちながら、温かく、誠実で飾らない人柄が活字を通してはっきりと伝わってきます。

ドラマとしても優れていて、特に経営権をめぐっての「第一物産」との激しい攻防と、「日華食品」との米国特許抗争には、知的にも、そして人と人の物語としても大いに魅力があります。

しかも気楽に読めます。是非通勤・通学のお供にどうぞ。
続編が「ザ エクセレント カンパニー 新・燃ゆるとき」です。
こちらもよいです。

こぶたs
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結構かわいい。ちなみに僕のじゃありませんよ(念のため)。