アレックス コーチングに燃える

曇天
曇天 posted from フォト蔵

すっかりご無沙汰しておりました。
少しバタバタしていて更新が大いに滞っていたため、相当ネタも溜まってしまいました。今日から1週間spring breakなのでまたどんどん更新していきたいと思います。

ちなみに最近雨期らしく、毎日雨が降っては止んでの繰り返しです。
日本を思い出して少し懐かしい気分になってしまいます。
写真は、そんなこちらでは貴重な(冬は除く。)曇天です。

さて、この1週間はとにかくコーチングの勉強に専念する予定で、ここで紹介するのはその第一弾です。一気に読み終わりました。

マックス・ランズバーグ
「駆け出しマネジャー アレックス コーチングに燃える」
ダイヤモンド社(2004年)

これは相当いいですね。コーチングの概念を知るためにはこれ以上ないと言うくらい分かりやすいですし、コーチングをある程度知っている人にとっても、新たな視点を与えてくれるようなツールがいくつかありますし、アレックスの「ケース」自体も面白いです。心理学やカウンセラーとの役割の違いを明確に示している点も素晴らしいと思います。

3部作のうち、「リーダーシップ」も割合よかったですが、こちらの方が内容的には充実していると思います。次回は「モチベーション」も読んでみたいと思います。

なお、「コーチング」を扱っているわけですが、読むに当たって一点注意が必要と思われる点がありました。それは、あくまで本書における「コーチング」は、職場で、上司から部下に対して行なわれるものという前提で書かれている点です。これは、「職場におけるコーチング」にフォーカスしているという意味ではなく、コーチングとはそういうものである、という著者の基本的な理解に基づいているようです。例えば、コーチとメンターの役割の違いについて触れているところで、

コーチは基本的に上司が担うもので、部下の近くにいて、部下の仕事だけを対象に改善の手助けをしたり、能力を引き出したりする。対して、メンターの守備範囲はもっと広い。基本的には直属の上司ではなく、長い目で見て手本になる人が向いている。(p.145)
とされていて、コーチング発祥の地とされるアメリカで盛んなプロ・コーチの存在は認めていないか、もしくは「基本」の外にある「例外」的な扱いになっています。ちなみに著者はアクセンチュアマッキンゼー等のパートナーを歴任してきた人で、スタンフォードMBAホルダーでもありますが、英国人で、今の本拠地も英国にあるようです。「英国式」は、米国式、そしてそれを輸入し発展させてきた日本式の「コーチング」の概念とは若干相違があるのかもしれません。

とはいえ、基本的なアプローチ方やメソドロジーは同じです。この点について考え方の相違がありうることを意識しておけば、十分に優れた入門書であり、参考書であると思います。そして、The Goalのように、読み物としても楽しめます。