Red Eye

Red Eyeというのは、ウォールストリート日記の記事によると、

深夜に出て、時差を逆行して進み、5〜6時間程度の飛行時間を経て到着地に早朝に着くフライトのことです。到着時にみんな疲れて目が赤くなるため、そう呼ばれているようです。
ということだそうです。そんなRed Eyeフライトを題材にしたそのものずばりな映画、どん。

Red Eye

冒頭から半分若しくは3分の2までは結構いいんです。
スリルもあり、両主人公の演技もなかなかいい。
特に、Cillian Murphyの少しずつ少しずつ心のひだに入り込んでいく演技は絶妙で魅せられました。彼を見たのはこの映画が初めてだったので、こんな面白い俳優がいたんだ、と素直に惹きつけられていました。

が、それ以降は、もはやコメディです。

かなり高得点だった彼も、後半はただの3枚目ヒールと化し、詰め甘な抜作くんと言ってもいいほどのおバカぶりを発揮します。まったく怖くないし、したがってまったくはらはらしません。おかげで女性主人公Rachel McAdamsのがんばりもまったく引き立ちません。クライマックスは2人で出来の悪いバトルを繰り広げます。

また、そもそも、手の込んだ陰謀を繰り広げる割に、その目的であるところの暗殺劇がまったく様になりません。「おいおい、そんなコストかけるんだったらもっと簡単・確実にやれるでしょ」とつっこみどころ満載。Rachelにしても事が済んだ後に生かしておけるはずもなく、プロットに相当無理があります。

いいところもたくさんあるだけに、非常に残念な映画でした。