Emotional Intelligence (4)

EQ心の知能指数 第4章

○言葉の定義
 −「メタ認知」=思考過程を意識すること(心理学用語)
  「メタムード」=自分自身の情動を意識すること(心理学用語)
 −「情動の自己認識」(by ダニエル・ゴールマン)
  =自己の心的状態を現在進行形で認識すること(意味は多分変わらない)。
  Cf. 「平等に漂う注意」(フロイト)、「観察する自我」

○情動の自己認識
「情動の自己認識が可能になるのは大脳新皮質、とくに自分の内面にある情動を特定し名指しする言語野の活動が必要」(p.79)。「自我観察能力が少しだけ発揮されたときは、経験から一歩引いた心理状態になる。現実を認識しつつその中に没することなく、意識の上方で少し距離をおいて平行に流れる「メタ」意識が生じている状態だ」(p.80)。
→building attention、mindfulnessのトレーニングは、これを意識的に行なう力を伸ばすためのものかもしれない。

○ジョン・メイヤー(ニューハンプシャー)による、情動への対処パターンの3分類
 ①自己認識型(自己の感情を認識し、ある程度までうまく処理する能力を持つ)
 ②埋没型(感情をはっきり認識できず、感情の中に埋没する)
 ③受容型(認識することはできるが、それを受容してしまう。気分を変える努力はしない)

○失感情症(アレキシサイミア)
 −感情に関する語彙が極端に少なく、自分の感情も他人の感情も表現・描写できない。
  →何も感じないわけではなく、感情を認識できないor表現できない。
 −感情の苦痛を肉体の苦痛と取り違えてしまう(身体化)。
 −大脳辺縁系大脳新皮質(特に言語野)の断絶が原因?

○感情が果す決定的役割
価値判断、意思決定のプロセスから感情が欠落すると、対象について自分がどう感じているか分からなくなるため、判断ができない、もしくは欠陥だらけの判断を下すことになる。

○「体腔マーカー」(もしくは虫の知らせ) byアントニオ・ダマシオ(神経科医)
重大なことを決断する際に人間を導く本能的な信号は、大脳辺縁系が引き起こす波動のような形で腹の底からやって来る」(p.90)
 →これは最近よく分かるようになってきた気がする。