身体に聞け

最近、The Practice of Self-Managementの授業の内容+リーディングの内容+エクササイズで非常に大きな発見がありました。大袈裟じゃなく、これだけでこの学校に来た価値があると言えるほどのものです。

それは、

「迷ったら身体に聞く」

もしくは、

「身体は自分の本当の気持ちを脳みそよりよく知っている」

ということです。

特に僕は、頭で考えすぎる傾向があって、本当は望んでいないことに対してさえ自分で自分を「説得」してしまったりするような悪い癖があります。要するに、ロジカルにいろんな理屈を考え出してしまう。そのせいで、自分が心から望んでいることが分からなくなる。それが悪い癖であるということも、この授業で学んでいることを実践していく中で初めてクリアに分かりました。自分の中ではかなり劇的な変化です。

具体的にどういうことかというと、何かに迷ったり悩まされたりしているときに、①ふと自分の意識をその思考、感情そのものから切り離して、②自分の身体がどう反応しているかを冷静に観察してみる、というだけのことです。

しかし違いはかなりはっきりしていて、頭ではconvincingで反論できないような内容であっても、身体の方では様々な形でストレスを感じていたりすることがあります。逆に、本当に望んでいることであれば、理屈は非常にシンプルでも、あるいは理屈すらなくても、全身がストレスなくagreeしていたり、comfortableに感じていたり、passionを感じていたり、ということもあります。

大切なのは、①の冷静に観察するという力をつけることと、②の微妙な身体の感じ方の違いを理解する力をつけること、の2点です。これまでのエクササイズ(毎日取り組んで、毎週レポートを出します)の中でこのトレーニングになっているのが、Building Attention(→①)とMindfulness(→②)の2つです。

具体的に言ってしまうと、meditation、つまり瞑想をやるわけです。

おいおい、MBAで瞑想!?
正気か!?

なんて声が聞こえてきそうですが、ていうか、僕もこのクラスを受ける前はそう思っていて、最新の心理学をベースにしたセルフマネジメントのスキルやコンセプトを学べるのはいいけど、瞑想は勘弁してよね、と思っていました。しかし、ちゃんとやってみると意外に理屈が通っていて、宗教的な部分はないことが分かってきました。(ちなみに教授はUSCでもクラスを持っています)

Building Attentionといのは、筋トレのようなものです。心を静かに落ち着けて、頭に何か考えや感情が浮かんだら、自分の意識をそちらに持って行かずにor持って行かれずに、自分の呼吸に意識を集中する。これを30分ほど繰り返すだけです。腕を曲げたり伸ばしたりすることで筋肉の繊維が増強されていくように、これを繰り返すことで集中力を自分でコントロールする力が伸びていくわけです。

そして、Mindfulenessというのは、BAで培った集中力によって自分を客観的な意識にとどめたまま、同様に静かに心を落ち着けている中で浮かんでくる(もしくは、意識的に何かを思い浮かべてもいいそうです)思考や感情を「観察」するというものです。その際、特に意識して観察する対象は、思考や感情に伴って身体の様々な部分がどのように反応しているか、という点です。

このようなトレーニングを毎日少しずつ繰り返すことで、徐々に自分の身体の反応に対する理解が深まっていくということですね。僕はmeditationそのものよりも、普段物を考えたりするときに意識的に自分の身体の反応に意識を向けるようになりました。これも結構面白く、得るところは多いです。

木曜日の個別フィードバックのセッションで、教授が

「身体は脳みそよりもたくさんの情報を受け取ってるんだよ」

という言葉が非常に印象的でした。とかく頭や理性が尊重される現代、身体の感覚を取り戻すことは一つのキーワードかもしれません。