とはいえ

夢の中まで戦略やファイナンスの議論にoccupyされてしまっているのは、必ずしも勉強がしんどいからばかりではないようだ。単純にこの二分野が面白いというところ大だ。特に、戦略論は、自分のexpertiseのコアにしていきたいと思うほど面白いと感じている。

そういえばドラッカースクールに初めて足を踏み入れて、当時Academic Advisorだった現暫定DirectorのM女史に会った時に「専攻(concentration)を何にするのか」という話になって、そのときはリーダーシップしか考えてなかった僕に対して彼女は「う〜ん、あなたはstrategyっぽいね」と言っていた。超能力でも持ってるんだろうか(笑)


さて、ふと戦略とファイナンスの何が面白いのか考えてみると、どちらも複雑怪奇に見えるビジネスや産業の動向に対して、かなり明快な切り口を与えてくれる点にあるのだと思う。切り口を適切に組み合わせ、適用し、しっかり深く考えれば相当正確に状況を把握できたりすることがある(徐々に打率を上げていきたい)。

今のところ、その「切り口」を増やしていくのが、そしてその切り口とロジックとファクトとを使って、物事を明らかにしていくプロセスがたまらなく面白いのだと思う。


例えば、ごく簡単な例だと、戦略論の基本は、ポーターに代表されるように産業や市場においてどうpositioningするか、という「ポジショニング学派」的な思考から入るわけだけれど、やがてそれだけでは足りないことに気づかされる。そこで例えばハメルとプラハードの「コア・コンピタンス」に代表されるようなresourceとcapabilityの視点も必要になってくる。外的なopportunityだけでなく、企業の持つ強みに立脚したビジネスを追求しなければならない=強みもしくは基盤のないopportunityは絵に描いた餅に過ぎない、ということだ。positioningの視点だけでなく、この2つめの視点も併せ持っていれば、より確かな分析と戦略立案が可能になるだろう。

そして、ミンツバーグらの"Strategy Safari"によれば、このような主要な「視点」だけで10の学派が存在しているらしい。セメスターが始まってからは途中で読めなくなってしまったけど、早く再開して研究を進めたい。


加えて、山脇教授のGlobal Economyの授業のスキームでは、この企業が競争を繰り広げるindustryまたはmarketに対してもう少し広いperspectiveでの分析が行なわれる。Sathe教授のStrategyのクラスと同じく、基本は戦略論の授業なのだが、その企業の所在する国の資源や文化、歴史、政府の役割、国内市場成熟その他の要因とそれらの動態的変化及び相互作用といった様々なbroader and deeper contextが重要な議論のコンポーネントとなる。そのため、かなり視野が広がる感じがする。


もちろん、プロフォーマやratio analysisその他を使ったファイナンス面での分析や議論も、主要な問題にあたりをつけたり、議論を定量的に支えたり、誤りを正したりするために重要な役割を果たしてくれる。


なんか何を書きたかったのか忘れてしまったけれど、折角書いたので消すのももったいない気がします。

たくさん知的刺激を受けながら、readingとpreparationの量にうめきながら、週末もどこにも遊びに行けず、時々発狂しそうになりながら、割合楽しく勉強をしている今日この頃なわけです。夢にまで見るほどはまっているというわけです。と、自分を励ましながらがんばっていきたいと思います。オチがつきませんが、そういうことにしときましょう。