プロフォーマ

Financial Policy & Strategyという授業がある。テストを除いて実質全11週の中で9つのケースをやる。9つのうち3つをチームでプレゼン+write-upし、残りはプレゼン無しでwrite-upだけ。これがかなりきつい。多分今期の授業の中で一番ワークロードが大きい授業だと思う。先週は一瞬取ったことを後悔したほど。


しかし、内容は相当に面白い。


何が面白いかというと、
①financial statementを分析し、その企業の基本的なパフォーマンスを理解する。
②いくつかassumptionをおいて、pro formaを作成する。
③シナリオを複数作成し、assumptionをあれこれ変えてみて、sensitivity analysisを行なう。
というプロセスの中で、その企業のどの辺りが悪いのかというのが結構明確に見えてくることだ。


例えば、今週取り組んでいるMassey-Fergusonというdebtが多すぎて倒産の一歩手前にいる企業の場合、equityを多めに注入し、debtを減らし、多少salesが伸びれば、かなり収益は改善する。ところが、salesの伸び率をより高めに想定していくと、あるところでやはり収益が悪化していく。そしてやがて赤字企業に逆戻りする。

この単純なsensitivity analysisを通して、実はこの企業はcapital structureが偏っていただけでなく、そもそも成長に耐え得ない体質を持っていたのではないかという仮説が生まれる。そこから具体的に悪い箇所を特定するために、ratio analysisや同業他社の数字との比較をやっていくと、患部が見えてくる。患部が見えてくると、今度はそれをどう改善するかという方策の検討を行なうことになる。

ほんの少し時間をかけてスプレッドシートの作成の仕方、数字の解釈の仕方等を学ぶだけで、こういうストーリーがかなりクリアに見えるようになる。それがすごく面白い。(効率的、効果的な分析が出来るスプレッドシートをいかに作るか、というのも、単純にパズルみたいで面白かったりする)


こういうのを知ってるとビジネスの見方が相当変わる気がする。何より、憶測ではなく数字ではっきりと示すことが出来るので説得力があるし、問題の核心へ辿り着くための時間もかなり短縮できるだろう。

他方で、あまりにはっきりと「分かった気になれる」ので、ついつい、「じゃあCOGSの比率を下げればいい」とか「collection periodを短縮すればいい」という議論になってしまうけど、より大切なことはその先の"How?"の段階(strategy or tactics)、さらにその先のimplementationの段階(leadership)にある。それを意識しておかないとまったくpracticalではない机上の空論になってしまう。GVCの長谷川さんがこちらにいらっしゃった時に、「MBAホルダーは何かといえばスプレッドシートばかりでものを考える」みたいなことを仰っていたが、こういう問題意識も含まれていたのかなと思う。


長々となりましたが、単なる気分転換、脈略もない現実逃避でした。
また勉強にもどろっと。