長谷川博和氏との懇親会

今日はグローバルベンチャーキャピタルの代表長谷川博和さんとお酒を飲みながらお話を伺えるという得難い機会を得ることができた。サバティカルドラッカースクールにいらっしゃっている忽那教授のご縁だ。

さすがに投資家に対するプレゼンテーションで徹底してスキルを磨かれているのか、プラス、もちろん希少性の高い経験を豊富に持っていらっしゃっているためか、話が抜群に面白く、あっという間に3時間半ほどが経過してしまった。VCにまださほど詳しくない僕らにとっても大変分かりやすく、かつ興味を惹かれてやまないような話のオンパレードだった。思わずメモを取りながら話を聞いてしまった。


特に印象的だった話が、投資先としてのハワイの面白さと、ベンチャービジネスの「聖地」としてのシリコンバレーの優位性が徐々に他へシフトしつつあるという仮説だった。

まったく知らなかったけれども、ハワイはベンチャーのメッカになっているらしい。ハイテク系が多く、いわば小シリコンバレーといった様相を呈しているようだ。ハワイはベンチャービジネス等で一山当て、セミリタイアしたような人たちが多く住んでいて、その子息たちは優秀な人が多く、実はハイスクールも全米でも相当に偏差値が高いらしい。そして、彼らはスタンフォード等トップスクールへ進学し、そこで培ったスキルやネットワークを活かしてハワイに戻って起業するケースが多いとのこと。そして、畑としてのハワイという土地柄も悪くなく、顧客としての海軍のプレゼンスも大きいし、ある種日本の沖縄的な性質もあって、政府からの補助金も多い。加えて、ベンチャー投資に対する優遇税制(エンジェル税制)も発達していて、補助金とも相まってリスクを低めに抑えることも可能。そんなこんなで、VCの投資先としては非常に魅力的らしい。

また、かつては、テクノロジーイノベーション)、マーケット、ファイナンス、マネジメント(の出来る人材)という4つの柱がすべてシリコンバレーに揃っていたために、シリコンバレーが圧倒的にベンチャービジネスをやるにも、投資をやるにも有利な場所だったらしい。実際、とあるベンチャーキャピタリストは、「車で30分以内の範囲にある会社にしか投資しない」と豪語していたとのこと。しかし、現在ではイノベーション・センターは世界中に拡散し、シリコンバレーの物価高による人材の流出、そもそもファイナンスはその性質上土地に固定できない、というか固定する意味がないし、マーケットは当然グローバル化している、ということで、シリコンバレーが持っていた圧倒的な地の利が世界に拡散しつつあるようです。したがって、シリコンバレーに本拠を持たないVCであっても、縦横無尽に活躍する機会がたくさんあり、実際に長谷川さんの会社はグローバルにイノベーション、マーケット、ファイナンス、マネジメントを結びつけて活躍されている模様。


どれも本でも読んだことないし、ウェブでも見たことのない生の最先端情報だった。3時間あまり興奮しっぱなしの超有意義な時間を過ごすことが出来た。さらに贅沢なことに、明日は朝から長谷川さんの講義を受けることが出来る。何て幸運なんだろう、と忽那教授を始め、いろんなことに感謝したい気持ちでいっぱいだ。