DCF法ステップ① 過去の業績分析
- 作者: マッキンゼー・アンド・カンパニー,ティム・コラー,マーク・フーカート,デイビッド・ウェッセルズ,本田桂子,天野洋世,井上雅史,近藤将士,戸塚隆将
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2006/03/10
- メディア: 単行本
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第II部 実践編
第7章 過去の業績分析
ここまでで一番読むのがきつかった章。あまりに情報量が膨大なので簡単に過去の業績分析の考え方と作業のエッセンスだけをまとめておきます。
①財務諸表の関係箇所(投下資産:貸借対照表、NOPLAT:損益計算書)を、会計の視点ではなく経済的な視点から再構築し、NOPLAT、投下資産、営業フリー・キャッシュフローを算出する。
・投下資産=事業用資産−事業用負債=有利子負債+資本
・使用資産総額=投下資産+非事業用資産
+有利子負債および有利子負債類似物+資本および株式類似物
②①の結果から、ROIC=NOPLAT/投下資産を算定・分析する。さらに、価値創造力を測るため、エコノミック・プロフィットを算定する。
・業績理解の観点からは、ROEやROAよりもROICが有用。前者には非事業用資産や有利子負債・資本構成の効果も加わるためである。
・のれん代を含む場合とそうでない場合で分析対象とROICの値が異なる。
・ROICの要素分解
cf. ROICツリー
③M&A、為替変動、会計方針の変更による影響を売上高成長率の数値から取り除き、事業活動による自力成長の観点から売上高成長率を分析する。
・売上高成長率の分解
④「財務的な健康状態と、有利子負債・資本構成を評価し、事業を遂行するのに十分な資金があるか、また、短期・長期での投資が可能かを判断する。」(p.185)(信用力と有利子負債・資本構成の評価)
・カバレッジとレバレッジ
・配当性向
その他のより高度な課題
○オペレーティング・リース
○広告宣伝費、研究開発費等の資産化
○従業員向けストックオプション
○引当金と準備金
○退職関連給付
○少数株主持分
○インフレーション
○時価ベースでの投下資産と簿価ベースでの投下資産
○キャッシュフロー投下資産利益率による評価