2006年秋学期の授業

いよいよあと1ヶ月ほどで「ドラッカースクールの2年間で最も充実し、最も大変」と言われる2年目の秋学期が始まります。

充実している理由は、当校の看板教授たちの授業がこのタイミングに集中していることと、比較的退屈な基礎的なコア科目の内容を終えてよりビジネスの核心に踏み込んだようなコア科目(Advanced Coreと呼ばれる)に突入することと、好き勝手に選択科目(elective)を取れること、に求められます。

そして、大変な理由は、授業の比重が圧倒的にケース・ディスカッション中心に移行すること、内容がハイレベルになること、に求められます。

でも、結局は、「最も楽しみにしていた」学期なので、あと1ヶ月が待ち遠しく感じられます。


どの科目を取るかで専攻も固まってしまいそうなタイミングにありますので、色々悩みましたが、結局以下の4科目を履修することに決めました。ご参考までに簡単にご紹介します。


MGT315 Morality & Leadership

かつてハーバードでも教鞭を執っておられたエルスワース教授による"integrity"に重きを置いたリーダーシップ論の授業です。この"integrity"という言葉は和訳が難しくて、辞書には「誠実さ、高潔さ」などという言葉が並んでいますが、どうも教授の言っていることを見ていると、「首尾一貫性」というような言葉が適しているような気がします。

コースの説明書きによれば、リーダーやマネジャーの直面する様々な「ジレンマ」に際して、いかに"integrity"を保っていくことが重要であるか、また"integrity"を保つために自分自身の価値や信念をどう打ち立てていくか、と言ったことが主題になるようです。代表的なジレンマについて、色々なケースに基づいてディスカッションしていくようです。非常に考えさせられそうな内容で、真剣に取り組めばlasting valueを得られる授業なのではないかと思います。

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去年のシラバス


MGT340 Strategy

エルスワース教授と同じくうちの看板教授の1人であるサテー教授による戦略論の授業。ポーターからブルー・オーシャン戦略まで、幅広く戦略論のトピックを扱っていくようですが、全体としての体系というか全コースを通したプレゼンのあり方は彼独特のフレームワークによるようです。その点が非常に楽しみでもあります。

なお、サテー教授と言えば、毎年春に開講されていた、個人から企業までの統合的な価値観やビジョン、戦略を問うReviatalizationという授業が非常に魅力的だったのですが、2007年の春学期はサバティカルに入られるようです。したがって、僕らclass of 2007にとってはこのStrategyの授業が彼の教えを請う最後の機会です。非常に残念でなりません。

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MGT373 Financial Policy and Strategy

一言でいうと、基本的なコーポレート・ファイナンスフレームワークに沿って、各種財務関連施策(payout、capital structure等々)の企業戦略的見地からの効果を、ケース分析を通して学んで行くというものです。その際、各施策のもたらす影響の相違を、実際の企業価値評価を通して検討、把握していくことになるようです。

先輩方の話を聞いていると、相当ハードなクラスであるようですが、講師のBinay教授は前セメスターで最も好きな教授だったので、このクラスも非常に楽しみです。かなり睡眠不足になりそうですが(笑)

とりあえず、evaluationなんてまったくの基礎しか分からないので、マッキンゼーの『企業価値評価第4版』を慌てて注文しました。しっかり勉強しようと思います。時々このブログをのぞいてくれているであろうプロの友人sのご助力にも期待しておりますです。よろしくお願いします(笑)

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MGT376 Global Strategy

このたび、Deanの交代に伴ってAssociate Deanに就任された山脇教授による、国際的な産業構造比較論。ポーターの『国の競争優位』をテキストに、各国、地域ごとのビジネス競争上の比較優位、比較劣位について、ケースに基づいて分析、議論していくようです。

フラット化の進むグローバル・マーケットを考えていく上では、このような視点は決して欠かすことのできないものだと思います。また、山脇教授のクラスは非常によくオーガナイズされているそうで、多くの先輩方から大満足の声を聴いています。そういった意味でも非常に楽しみな授業です。

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