フラット化した世界で生き残るには

フラット化する世界(下)

フラット化する世界(下)

第二部 アメリカとフラット化する世界


第7章 理想の才能を求めて−教育と競争の問題


本章の前半の内容は以下の文章によく要約されている。

新ミドルの仕事が、共同作業者、梃子入れ役、適応者、説明者、合成役、グリーン・ピープル、ローカライザー、パーソナライザーになることだとして、

ここまでは前章の内容。そして、

こうした手法をものにするには、さまざまな物事に加えて、学ぶすべを学ぶことができなければならず仕事に好奇心と熱意がなければならず他人とうまくやっていかなければならず右脳の技倆を磨かなければならない。では、教育の立場からは、具体的にどうすればよいのか?

これが本章前半のエッセンス。

教育の立場から取り組むべきことの答えは示されていないが、アトランタジョージア工科大学の興味深いケースが紹介されている。


また、フラット化する世界の中で成功するような人々を教育するのに必要な以下のようなものが、アメリカには、理論上は揃っていると筆者は指摘する。

・規制の緩和された柔軟な自由市場経済
・開放的かつ柔軟で、イノベーションに向いた文化
・互いに競争し合う研究機関を兼ねた無数の大学

アメリカには4000の単科大学と総合大学があります」と国際教育研究所のアラン・E・グッドマン会長は述べている。「世界の残りを合わせても、高等教育機関は7768です。カリフォルニア州には大学は約130校ありますが、それよりも大学の数が多いのは世界で14カ国だけです」

・世界で最も厳格なルールを持つ効率的な資本市場
知的財産権保護の質の高さ
・世界で最も柔軟な労働法
・世界最大の国内消費市場
・政治的安定
・高度な信頼


ただし、現時点でアメリカがこれらのリソースを活用して、世界がフラット化する時代に合うように若者たちに適切な教育を行えているのか、と言えば答えはノーだと筆者はいう。続く2つの章でこれについて詳しく論じられる。