ルーカス+モジリアニ

ノーベル賞経済学者に学ぶ現代経済思想

ノーベル賞経済学者に学ぶ現代経済思想

第4部 景気が停滞するとき


第17章 期待の効果は期待どおりにあらず


ロバート・ルーカス・Jr
・1995年にノーベル経済学賞を受賞
・反ケインジアンの中心的学者


合理的期待形成の理論
・「政策無力性命題」:合理的な人々は、拡張的金融政策による賃金・物価の上昇が、ある市場に特有の現象ではなくインフレであるということにいずれ気づき、生産と雇用を常態に戻す。したがって、拡張的金融政策は短期間しか効果を発揮しない。
フリードマンの「k%ルール」に戻るべし。


フランコ・モジリアニ
・1985年にノーベル経済学賞を受賞。


ライフサイクル仮説
・消費支出は予想される生涯所得全体との関係で決まる。
・好況・不況は、消費支出に対する「資産効果」によって、極端に高い失業率やインフレを招くことなく調整される。ゆえに、「大規模な金融/財政政策の出る幕はない」。


ケインジアン新古典派系統の経済学者の対立について
・市場の自律的調整機能に過度の期待をするかしないか。
 そして、経済における政府の役割を認めるか認めないか。
ケインズの言葉

市場は長期的には需給を均衡させるかもしれないが、「長期の間に私たち人間は死んでしまう」。