トービン+ヒックス

ノーベル賞経済学者に学ぶ現代経済思想

ノーベル賞経済学者に学ぶ現代経済思想

第4部 景気が停滞するとき


第16章 貨幣保有は貨幣の回転率の裏返し


ジェームズ・トービン
・1981年にノーベル経済学賞を受賞。


○貨幣市場の研究
貨幣需要に焦点を置いた金融理論を展開。
景気循環について、基本的には自動的な調整機能によって安定化が望めると考えた。
・しかし、リセッションのときに貨幣の回転率が落ち込めば、マネタリスト・アプローチは機能し得ないと懸念。
・「流動性の罠(liquidity trap)」=貨幣需要の利子弾力性が相対的に高意状態で、「リスクがより高く流動性に乏しい他の金融資産を保有するよりも、すぐに使える現金や当座預金保有することへの欲求が無限に増えていく状態」


ジョン・ヒックス
・「景気循環やそれに対処する政策に関する数々の説明を集めて、全体として首尾一貫した一つの理論にまとめ上げた」
・完全市場が成立しなければ自律的な安定は難しいとして、経済に対する政府の干渉については寛容な立場。