ミルトン・フリードマン

ノーベル賞経済学者に学ぶ現代経済思想

ノーベル賞経済学者に学ぶ現代経済思想

第4部 景気が停滞するとき


第15章 政府の干渉が経済効率性を妨げるとき


ミルトン・フリードマン
・1976年、ノーベル経済学賞を受賞。
・経済に対する政府の干渉に反対を唱えた中心的な経済学者


非裁量的金融政策の重視
タイム・ラグの存在と、政治的圧力による歪みの存在から、ケインジアンの主唱する裁量的財政政策に強く反対。
・また、支出乗数も安定的ではなく、裁量的財政政策は意図通り正確に機能しない。
・他方、拡張的/縮小的金融政策(=「ナイーブなアプローチ」)もかえって景気循環の上下動を激化させると批判(cf. 期待インフレ率、実質利子率)。
・拡張的金融政策は雇用にも効果がない(cf. 自然失業率)。
・貨幣の回転率は比較的安定しているという理解を前提に、「マネタリスト・アプローチ」(生産能力の上昇に合わせ、貨幣供給を一定量ずつ安定的に増加させる施策=「k%ルール」)を推奨。