ジェームズ・ブキャナン
- 作者: マリル・ハートマッカーティ,Marilu Hurt McCarty,田中浩子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2002/06/29
- メディア: 単行本
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第2部 合理主義への制限と政府の役割
第6章 個人と社会構成の緊張関係
○ジェームズ・ブキャナン、1986年にノーベル経済学賞受賞
○公共選択理論(theory of public choice)
・資源配分において他の経済学者は結果の効率性を強調するが、ブキャナンは決定が行われる「プロセス」を重視。
・意思決定のルールそのものが全員一致で支持されたものであれば、日常的な意思決定が全員一致によるものでなく、そこから得られる便益が全員一致のときより小さくなったとしても我々はそれを甘受する。
e.g.立憲レベル(理念的には全員一致) →道交法(多数決) →赤信号(イライラ)
○相互依存費用(interdependence costs)の理論
・政治的決定には、「説得のコスト」(persuasion costs)と「外部費用」(external costs)が伴う。
・意思決定に必要な賛成投票の%の増加に伴い、前者は増加、後者は減少。
・相互依存費用を極小化するために最適な%が存在する。
・民営化の問題も、私的費用=%から独立した変数とすれば同じモデルで捉えられる。
○集団的決定を歪める投票者の「戦略的行動」
・情報の隠蔽
・結託
・ログローリング
・ブキャナンは、サイドペイメントによって歪みを回避し、資源配分の効率性を高めることが可能、と指摘。