mixiミュージックについて

最近、mixiの新しいサービス、「mixiミュージック」が始まりました。
音楽大好きの僕には眺めてるだけで時間が経ってしまうような面白いサービスです。


簡単に言うと、PCでiTunes等を使って音楽を聴いてると、勝手に曲名、アーティスト名がmixiの自分のページに送信され、情報がストックされ、アーティスト、曲の別に視聴数でランキングが作られる、というものです。リンクしているマイミク同士ならお互いのランキングをのぞくこともできます。また、自分のお気に入りリスト(最大15曲×3リスト)を作って公開することもできます。さらに、それぞれの人のランキングとリストに対してコメントを付したり、個々の曲にコメントを付したりも出来ます。


個人のページを離れて、各アーティストのページに飛んでみれば、wikiのように、各アーティストの情報をmixiユーザーが自由に編集できるようになっています。なかには「へ〜」という情報もあったり。また、それぞれのアーティストのどんな曲がよく聴かれているのか、ランキングになって表示されます。他方、曲毎のページに飛んでみれば、各個人の付した曲へのコメントが全部集計されていて、他のリスナーの感じてることなんかを眺めたりできます。


というところがサービスの概要なのですが、ざっと見ると音楽好き以外には「何が楽しいの?」っていう内容ですね(笑)。少しまじめに、一体このサービスはどういう意味・機能をもたらしうるのか、ちょっと考えてみたいと思います。


まず、ユーザー側からの視点

①音楽ファンからすると、すごくマイナーな曲を他の人も聴いていたりして、ちょっと嬉しかったり、あるいは逆に自分しか聴いてない曲もあったりして、優越感に浸ったり、マニアックな楽しみを提供するという部分はありますね。

②自分の好きなor嫌いな曲について、他の人がどう感じているのかをコメントを通して知る、というのもなかなか面白いものです。

③①②は音楽が好きな人向けのマニアックな効用を提供するに過ぎませんが、もう少し一般的かつより重要なのが、mixiの備えるコミュニティ機能のさらなるブースターとして機能するということでしょう。自分のマイミクに入っている友人のリストを見て、「あ、あの人もこの曲聴いてるんだ」、「○○さん、こんな曲が好きなんだ。意外だな〜」みたいな感じで、音楽を通して友人・知人をより理解することに役立ったり、より親近感を感じることができるのではないでしょうか。まあ、それも音楽好きな友人、に限られるのかも知れませんけども。


そして、サービスを提供しているmixi側の「ビジネス」としての視点
これが実はあまりピンときません。

ア)今のところ、mixiは伝統的な広告モデルをコアにコミュニティサービスを運営しているように見受けられますが、①〜③を通してより多くのユーザーがmixiにloyalityを感じたり、mixiコミュニティへの滞在時間や活用度が高まれば、広告収入が高まる可能性はもちろんあります。

イ)他の人のリストから触発されて楽曲を購入する、というユーザーもいると思いますが、iTMS等とよりがっちり提携して、mixiのページから簡単に曲を購入できる、みたいな形にすれば、アフィリエイトのようにマージン収入を得ることもできるでしょう。しかし、今のところ「視聴する」というリンクしかなく、かつ視聴ボタンをクリックすると直接自分のPCのiTunesに飛んでしまうので、視聴の後に購入してもmixiにマージンが入るのかどうかは不明です。

ウ)多分、潜在的に最もインパクトがありそうなのは、毎日膨大に収集されるデータをどう活用するか、というところでしょう。楽曲単位で、しかもユーザーの年齢等の貴重な情報込みのデータがこれほど膨大にかつ継続的に収集される仕組みはおそらく他にないでしょう(音ログもありますが、使い勝手や面白さはmixiの方が上)。そうすると、このデータをレコード会社にマーケティング情報として売る、というのはあり得ますね。

しかし、ア〜ウのいずれにしてもWeb1.0的な発想で、革新的なブレイクスルーをもたらすものではあり得ない気がします。とりあえずの僕の発想の限界ですね。mixi経営陣が将来に何を見ているのか、大いに楽しみにwatchしていきたいと思います。


ちなみに、③にしても、ウにしても、できるだけ多くの、多様なユーザーが参加するほど魅力的になるわけですが、致命的なことに、社会人は平日にPCで音楽聴いたりしないですよね。ほとんどそんな余裕ないですよね。そうすると、集まる情報ってその大半が大学生以下のリスナーのものということになりますね。もちろん、働き方の形がどんどん変わって来るという可能性も考え、かつ、今のmixiのターゲット層が(おそらく)その層と一致しているということを考えれば、さして支障はないのかもしれませんが、例えばiPodで通勤時に聴いている曲の情報もiTunes経由で収集できる、みたいな機能が追加されれば、より魅力的なサービスになるかもしれません。


PS もし僕の友人でまだmixiを始めてなくて、ちょっと興味があるという方がいらっしゃればメール下さい。招待状送ります(mixiは無料のサービスですが、セキュリティ上の理由から会員からの招待を受けなければ参加できません)。