「ジョン・コッターの企業変革ノート」

ジョン・コッターの企業変革ノート

ジョン・コッターの企業変革ノート

あまりに非効率かつスピードが落ちるので、やっぱりサマリーを書くのは止めました。要約してると勉強には「なっている気がする」んですけどね。多分、実際の理解度や定着率はあまり変わらないと思います。読みに来て下さっていた大勢の皆様、申し訳ありません。基本的にこのブログは利己的な動機でやっておりますので、とりあえず当面は御了承いただければ幸いです。


というわけで、さっさと読み終わりました「ジョン・コッターの企業変革ノート」(原題"Heart of Change")。非常に面白く、かつ実践的な内容です。既にこのブログで何度も出てきましたが、コッター教授の最も偉大な「発明」と思われる8段階の変革プロセスについて、豊富な事例を挙げて説明されています。本書よりも相当前に出版された「企業変革力」(原題"Leading Change")が主にコンセプトと理論について説明したものであったのに対して、6年後に出版された本書ではケース主体に、変革努力の非常に具体的な実例が数多く紹介されており、イメージを持ちやすいと思います。


コンセプトを理解し、ケースをひととおり眺めて思うのは、やはり結局のところ、いかに優れたフレームワークと言えども、実際に成果を出すためには、頭を悩ませ、色々議論し、ユニークなクリエイティビティをそれぞれが発揮するしかないのだな、というところでした。つまり、この2冊もすぐに使える答えを与えてくれるものではないと言うことです。しかし、それでも、きわめて確度の高い方向性を与えてくれるという意味で本書と「企業変革力」はまれに見る名著であると思います。


この変化の激しい時代ではほとんど日常的に「変革」が求められるという理解に立てば、本書で示される「変革」のプロセスは組織におけるリーダーシップの日常的な行動フレームととらえることも出来るかもしれません。そして、これほどに包括的かつシンプルなフレームワークは他にないのではないでしょうか。「企業変革力」と「企業変革ノート」。セットでオススメです。