リーダーシップと継続的学習 -企業変革力(12)-

企業変革力

企業変革力

第十二章 リーダーシップと継続的学習


第11章で述べたような21世紀型企業は、新しい組織の型を生み出すことが求められるとともに、新しいタイプの従業員を生み出すことが要求されている。それは、リーダーシップとマネジメントの両機能において広範な能力を備えた従業員である。激化する競争を勝ち抜くためには、トップのリーダーシップだけでなく、企業全体を通じて小規模なリーダーシップが発揮されることが不可欠の条件となるためである。


21世紀には、一生を通じた学習によって自らの能力を向上させるリーダーの数が増加することが予測される。変化のスピードが速まるにつれ、学習を続ける意思と能力が、個人のキャリア上の成功と企業の業績向上の双方にとって不可欠の要件となるからである(*コッターはその例として松下幸之助を上げ、彼を「二十世紀の最も偉大なビジネスリーダーの一人」であるとしている。また、彼の伝記も書いているらしい)。


「競争に挑む強い意思」が生涯を通じた学習を促す。その生涯学習がスキルと知識、特にリーダーシップ・スキルを向上させる。その結果、ますます変化の激しくなるグローバル経済に対応する驚異的な能力が育まれる。また、生涯にわたって学習し、成長していく人材には、以下のような特徴がある。

①自らをcomfort zoneから敢えて踏み出させ、リスクを負う意思

②謙虚な自己認識

③積極的に他人に意見を求める

④他人の発言に注意深く耳を傾ける

⑤変化に対して柔軟である

⑥新しいアイデアをオープンに、能動的に受けとめる