ポジティブな感情の力

Cultivating Positive Emotions to Optimize Health and Well-Being
Barbara L. Fredrickson
Prevention & Treatment March 2000

本論文では、「Broaden-and-Buildモデル」という独自のフレームワークに基づいて、ポジティブな感情(喜び、関心、安堵等)の持つ力について極めて明快に論じられている。

まず、ネガティブな感情(怖れ、怒り、悲しみ等)は人の行動の選択肢を狭める。これは、進化の過程で人間が身につけてきた機能で、ある特定の行動に移行しやすくするための生理的な反応である。例えば、物理的なものであれ心理的なものであれ、「攻撃」にされされた時に怒りを感じ、アドレナリンが分泌され、心拍数が高まるのは、攻撃者に反撃し、打ちのめすための準備である。個々のネガティブな感情は、それぞれこのように特定の反応と結びついている。

他方、ポジティブな感情は、それに付随する思考、行動の傾向は有しているものの、特定の反応とは結びついていない。むしろ、より広範な思考、行動を可能とするような状態をもたらすという特性を持っている(to broaden)。これは、行動の選択肢を狭める機能を果すネガティブな感情に対する対抗力をもたらしてくれるものである。

さらに、ポジティブな感情は、上記のような意味でネガティブな感情に対するカウンターとなるだけでなく、成長を促す働きをも有している。例えば、安堵感は目の前の経験や関係をより完全に味わい、理解しようとする力を、関心は知的能力やスキルの向上を促進する契機を、それぞれ与えてくれる(to build)。

というところが骨子ですが、本文では様々なアカデミックなリソースを引きながら、非常に詳細にそれぞれのポジティブな感情が持つ機能について論じられています。また、ここまでは前半で、後半ではこれらポジティブな感情を増進するための現存する各種の方法論について述べられています。後半は実際にやったことのないメソッドについて広く浅く語られているのでその真価はよく分かりませんが、少なくとも前半の議論は非常に面白く、かつpositive emotionsの力を理解するために重要な内容でした。

Lost Souls Cafe
Lost Souls Cafe posted from フォト蔵

昨夜セルフマネジメントの教授と日本人学生で飲みに行った後、二軒目に行ったのが、Lost Souls Cafe。LAダウンタウンリトルトーキョーのすぐ近く、Mainと4th Streetの交差点から西へ入ってすぐのアレーの中にあります。写真はそのアレーの入り口当たりから店の方(右手奥に小さなエントランス)へ向かって撮ったものです。

周りはホームレスの人がたくさんいて(東に行くとすぐホームレスの「集落」があります)、一人とかカップルだけで行くには些か心細い場所ですが、店は相当よいです。アルコールなしですが、コーヒーはスタバと同程度以上には種類があり、ケーキもたくさんあります。何より、DJと生演奏(その晩はサックス)があり、お洒落な感じで店の雰囲気は相当いいです。かなり癒されます。ついでに店内では無料でワイヤレスネットワークにつながります。

クレアモントの田舎っぷりにすっかり慣らされてしまっていましたが、すっかり刺激され、たくさんいい店を開拓したくなってきました。