Play to Strengths

いかに自分の強みを見つけ、いかにそれを活かす形で仕事をするか。
一つの面白い方法論を提示しているのがこの論文です。
どうやら、ミシガン大のMBAを中心に、POS = Positive Organizational Scholarshipという活動というか、学派というか、があるらしく、本論文の内容は彼らが提供しているプログラムの一部のようです。この辺りも追ってみる価値がありそうです。

How to Play to Your Strengths
Laura Morgan Roberts, Gretchen Spreitzer, Jane Dutton, Robert Quinn, Emily Heaphy, and Brianna Barker
HBR Jan 2005

人はネガティブなフィードバックに注意を払う傾向があり、批判、非難の影響力は称賛による慰めより長く残る。欠点をえぐり出すフィードバックは、本来は有能であるはずのマネジャーをも、欠点の克服や取り繕いに過剰な投資をさせる結果となる。皮肉なことに、このような「問題」に焦点を置く伝統的な評価アプローチは、メンバーから最高のパフォーマンスを引き出すことを阻害するのだ。

だが、ギャラップ・オーガニゼーションのMarcus BuckinghamとDonald Cliftonやその他の研究者が提案しているように、別のアプローチもある。それは、弱みではなく、強みにフォーカスし、これを強化していくことだ。ただし、これは伝統的な評価システムによって特定された弱みを無視しようということではない。むしろ、ネガティブなインプットに対してバランスを取るための試みとして捉えるべきである。この新しい試みは、マネジャー達に、気づいているものも気づいていないものも含めて自分自身の強みを意識させ、組織への貢献を高めさせるものである。

具体的には、以下、過去数年をかけて開発したパワフルなReflected Best Self(RBS)と呼ばれるメソドロジーについて説明したい。(事例は省略です)

①ステップ1 フィードバックを集める
第一に、自分が強みを発揮した瞬間に関するフィードバックを集める。バランスの取れたサンプル提供者のグループを特定し(家族、友人、過去の同僚、現在の同僚、等)、彼らにフィードバックの提供を依頼する。その際、具体的な事例を提供してもらうことが重要。なお、レスポンスの早さと後の作業のことを考えれば、e-mailを使うことが効率的かつ効果的だ。

②ステップ2 パターンを分析する
集まった証言を基に、様々なフィードバックに共通する要素を、自分自身で行なった観察結果に加え、表にまとめる。2〜3のテーマごとに、事例と自分自身の特性に関する解釈について整理していくのだ。このプロセスは、ある人にとっては自己認識を再確認する結果となる場合もあるし、またある人にとっては、自分で気づいていなかった強みに気づき、心から啓発される結果となる場合もある。

③ステップ3 自画像を描く
上記分析を踏まえ、蓄積された情報のエッセンスを抽出し、要約するような自画像を描いてみる。自己観察とフィードバックの結果を合わせ、「最も力を発揮できているときの」自分自身を描くのだ。このプロセスによって、現時点での日常の自分だけでなく、最大限力を発揮しているときの自分自身をイメージすることができ、変化を起こしやすくなるという効果もある。

④ステップ4 仕事を再設計する
そして、自分の強みを把握した上で、仕事の再設計を行なう。この場合、転職だけが選択肢ではなく、現在のポジションにおいて、仕事のやり方、チームの構成、時間の使い方、を変えることによっても大きな効果を上げることが出来る可能性が高い。


シャルム
シャルム posted from フォト蔵
シャルム・エル・シェイクのとある海沿いのレストラン。
開店前で閑散としています。