600kmドライブと焼き肉と売人と(SF旅行①)

フィッシャーマンズワーフのおじさん
フィッシャーマンズワーフのおじさん posted from フォト蔵

先ほどサンフランシスコから帰ってきました(19日昼過ぎ)。相当充実した4泊5日の小旅行でした。書くこともたくさんあるので、ぼちぼちとアップしていこうと思います。まずは初日、15日の出来事から。

初日は何といっても、家からSF市内まで、400マイルオーバーという人生史上最長のドライブがハイライトです。キロにして600㎞くらい。相当長いです。東京からだとどこまでいけるでしょうか。兵庫?岡山?広島?カリフォルニア州のデカさがよく分かりますね。

前日夜中1時半までミーティングがあったため、8時前にようやく起床し、慌てて荷物の用意等を始め、出発したのは9時15分頃でした。

まずはガソリンスタンドでめいっぱいガスを入れ、ホットドッグで朝食を済ませ、眠くなるのを避けるために昼飯は食べないことにしていたので、少し甘いものも仕入れ、出発しました。いよいよたった一人の長距離戦の開始です。

最初は210というクレアモント、パサディナを経由してLAダウンタウンをかすめて北上するフリーフェイに乗り、一路LA市街の方向に向かいました。これはパサディナに行く際、ロングビーチに行く際、東の方に住んでいる友だちの家に行く際等々、頻繁に使っている高速道路なので慣れたもの。スタートダッシュとしてはうってつけです。軽快に飛ばしていきました。

が、困ったことに、予定マイル数を走ってもまだ次の乗り換え先の高速が現われません。どころか、あきらかにLA市街より西の地名がちらちらと現われます。どうやらどこかで間違ってしまったようです。とりあえず適当なところで高速を降り、地図を確認したところ、やはり行きすぎてしまっていました。早速時間をロス。おそらく総計で30分くらいロスしてしまった模様。う〜む。

気を取り直し、来た道を引き返し、途中で北上し、目指すI-5に無事合流。これは、LAからサンフランシスコ、サクラメントへ向かう高速ですが、延々と280㎞くらい続く、今回のドライブのメインディッシュです。

LAを離れてすぐ、ぐんぐん標高が上がっていき、ほんとに突然、霧が出てきました。散々前日の飲み会で

「標高高いから雪降るぞ」

「チェーン要るぞ」

とおどされていたので、「まさか1時間ちょっと走っただけで、そんな!」と相当ビビりが入ってきました。初めてつけるチェーンで、そもそもうまくつけられるかどうかも分からないし、走行感覚も分かんないのに何百キロも走んないといかんのかとかなりブルーになりかけました。が、幸い、どこまで行っても霧が深くなったり薄くなったりする程度で、雨すら降らなかったので助かりました。

景色はなかなか雄大でした。日本とはまったく違う植生の山々、牧場(多分乳牛と肉牛)、ブドウ園が延々と続きます。結構感動ものです。

しかし、ほとんど景色も変わらないのですぐに飽きます。よほど運転が好きでもなければやはり車での一人長距離旅はオススメできません。とりあえず、絶えず襲いかかろうとする睡魔と戦うため、色々工夫はしてみました。

①前夜までにiTunesで作成したCDを片手で入れ替えられるポジションに置いて1枚終わるたびに入れ替え、飽きないようにする。そして、歌いまくる。今回はB'zの懐かしい曲集と佐藤竹善平原綾香のカバー集が大活躍。「癒しに」と思って持ってきた一青ヨウのliveアルバムはやばかった。寝かけかねなかったので即刻解雇。

②ハイウェイ・パトロールに見つかりやしないかというドキドキ感とせめぎ合いながら、可能な限り飛ばす。大体時速90マイル平均で時速80-120マイル(120-180キロ)くらいで疾走していました。危ないと思われるかも知れませんが、一人で長距離走るときは、多分遅い集団に合わせてのんびり走る方が眠くなってよっぽど危ないと思います。ちなみに、I-5は途中で片側二車線になり、しかも右車線は厳しく時速制限されたトラックがたくさん走っているため、トラック+slower carで構成された島が定期的に現われて、大胆かつ慎重にこれをパスしてはまた飛ばす、という繰り返しでした。

③100マイルごとに休憩。僕のCRVは、前持主からの引き継ぎ事項でもありましたが、燃料計の挙動が若干おかしい。多分正確に燃料の量をトレースしていなくて、ある程度の臨界点になるまでFの状態からほとんど動かず、ある程度走ってから突然下降し始めます。そんな感じなので、半分以下の量になったときにはどの時点でガス欠になるのかも分からないので、結構こまめに給油する必要があります。体力と集中力的にも、100マイル毎の休憩というのは十二分にワークしました。面白かったのが、LAを離れると徐々にガス代が高くなっていき、ちょうど2回目の休憩(200マイルover)の地点のガス代が最も高く、SFに近づくとまた安くなり、SF市内はほとんどクレアモントと変わりませんでした。やはり輸送コストということでしょうかね。

そして、結局6時間半ほどが経過した16時前、ようやくサンフランシスコ市に到着。

これがまたドライバーにとってはすごいところ。以前そっちに住んでいたという台湾人クラスメイトに市内の運転は大変だと言われていたけれど、たしかに着いて早々びっくり。まるで車で遊ぶテーマパーク。

そこかしこに坂があり、山でもないのにギアを1に入れておかなければ登るのが大変だったり、逆に下りでフットブレーキを踏みまくる羽目になるようなところだらけ。何カ所かほんとにジェットコースターみたいなところもある。坂を登っていくんだけど、その先が全然見えない。一番上に上がったと思ったらそこに突然STOPの標識があって、そっから今度は急降下していく、みたいな。これが結構怖い。また、坂道発進しまくりで、オートマなのに結構後退しちゃったりして怖い怖い。そして、マンハッタンみたいに一方通行だらけ。うっかりしてると目標地点に着かずにグルグルしたりも。極めつけはほとんど路上駐車できないこと。市内の道は狭い上に、バス(どうも電動っぽい)とケーブルカーという2つの公共交通機関が堂々と走っていることもあって、路上駐車の規制がすごく厳しい。2車線の一方通行路でも、右側は停車もダメ、駐車したらtow(レッカー)される、だったり、左側は駐停車できるけど2時間以内、だったり。大体、地元の人が停めまくっているのでスペースがない。そして、もちろん停めるのも坂道。いやー、まったく楽しいところだ。さすがに5日いると慣れちゃったけど、運転があまり好きでない人はサンフランシスコ市内では車を使わない方がいいかもしれません。

さて、到着が遅かった上に、駐車スペースの発見と宿泊先への荷物の運び込みに時間がかかったために、初日はほとんど遊ぶ時間がありませんでしたが、とりあえずおいしい御飯を食べることが出来ました。バークレーに通っている会社の同期と合流し、まずはザガットの焼き肉部門での評価が最も高いという焼き肉屋へ行きました。Haan's Hibachiという名前で、元は日本語なのか韓国語なのかよく分かりませんが、焼き肉のスタイル自体はコリアンっぽかったです。spicy beefの焼き肉を頼んだけれど、これが、相当うまい。肉が柔らかくて、ちと味付けは濃いけど、うまい米とサラダが十分な量ついてくるのでおいしく食べられる。チップ込みで1000円を少し超えるくらいの値段なので結構オススメです。チャンスがあれば是非行ってみて下さい。PolkとClayの北東角にあります。あまりにおいしかったので滞在中にもう一回行ってみました。

そして、次はPolk通りを南へ下っていき、友人が好きだというアイリッシュもしくはUKっぽいPubを探して歩きました。若干治安が悪い地域に入りかける手前くらいでようやく一見見つけたのですが、これが結構いい経験でした。というのも、僕らは窓際に座っていたのですが、そのすぐ外にどうも売人くさい若いヒスパニック系の男が立っていて、アンダーグラッドくらいにしか見えないさらに若い男女が入れ替わり立ち替わり現われては、こそっと彼と何かをやりとりしているようなのです。一番分かりやすかったのが、というか、見てしまったのが、でっかいサーフィンのボードを持った女の子が来たときでした。彼女はボードを路上のゴミ箱(天井がついているタイプ)に立てかけ、周りからあまり見えないようにして、売人(らしき人)と気さくに言葉を交わしながら、ゴミ箱の中に手を入れて何かを受け渡ししていました。何かはよく分からないけど、多分マリファナかなー。危ないのであまり目を合わせないようにしていたけれど、こちらの視線に気付いたのか、はたまた品物が切れたのか、あるいは安全上の配慮か、その女の子が去ってしばらくしたら彼は違う場所へ移動していきました。僕が見ていただけで、かれこれ6〜7人の人と何かをしていましたが、なかなか勉強になりました。

ちなみに、18日の夜のニュースで、その辺りで売人同士が争ってどっちか死んだというニュースをやっていてびっくりしました。う〜ん。やはり危ないところには近づかん方がいいですね。とはいえ、LAに比べれば全般的にはるかに治安はよさそうですけれども。

さて、1日目はこんな感じでした。続きはまた明日。

*写真は、二日目に訪れたフィッシャーマンズ・ワーフのPier39で一心不乱に演奏していたおじさんです。かなりいい音を奏でていましたが、この楽器の名前はなんていうのだろう。