最近のSONY

こちらにいると、成功した日本企業の代表選手として、あるいはcoolなIT製品のプロバイダーとして、割合頻繁に名前を聞く我らがSONY。しかし、最近の彼らには不安を隠せない。


8月のDell&Apple用のリチウム電池のリコールも相当にショッキングだったが、つい先日もPS3の欧州発売日を2007年3月に延期するとの発表があった。部品供給の問題、とどこかの記事で見ていたが、ソニーの技術力低下、市場も懸念(読売、9/8)によれば、

PS3の欧州発売が延期されるのは、搭載している次世代DVD「ブルーレイディスク(BD)」の基幹部品である青色レーザーダイオードの量産が思うようにいかないためだ。ソニーは試作には成功したが、量産すると、表面に不純物が付着して使えない不良品が多く出て、必要な品質を保てない状況となった。

とのことだ。まさに技術力の問題。予定通り11月に発売される日米市場向け生産にも影響は出ていて、出荷台数は半分に圧縮されるらしい。ちなみに、SCE久夛良木社長も記者会見で、

ソニーが部品供給を)やれると言ったから計画を発表した。何かしら能力がないと言われれば、その通りかもしれない」と親会社であるソニーへの不満をあらわにした。・・・ソニーのモノ作りの力が落ちている可能性を問われ「きょうの時点では『その通り』と言うしかない」と述べた。

とのことだ。グループ企業の社長のコメントとしてはちょっとひどい気もするし、ストリンガー体制になってからグループ&社内の雰囲気が悪化してたりしないのかな?と不安にもなるが、この久夛良木社長の不満にはもしかしたら、Business2.0誌でグローバルビジネスで「重要でない10人」の4位に選ばれてしまったことの鬱憤も少し歪んで交じっているのかもしれない(笑)


特にクリスマス商戦を睨んで任天堂Microsoftとの次世代ゲーム機戦争への大きな悪影響が懸念され、株価も若干下落しているとのこと。しかし、もし一時的な現象ではなく、構造的な理由によって本当に技術力が低下したのだとしたらこれは相当に残念なことだ。それが「信じられる」ようになった暁には株価の下落は今回のような1%台では止まらないだろう。

また、多くの日本人にとって、SONYTOYOTAとならんで世界に誇るべきグローバル企業であって、社員ではなくとも世界と向き合ったときの日本人のプライドの数%は構成しているのではないかと思う。僕自身も多分そう。それがガラガラと崩れてしまうとなかなかに寂しいものがある。なんとかそうならないことを祈りたい。さもないと、Strategyのクラスでサテー教授からやり玉に挙げられるかもしれない(笑)