学生のタイプ

Bally's
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今回、2週間授業を受け、6回の授業に出て(2回休講)、5つのケース・ディスカッションに参加して強く印象に残ったのが、この学校の学生はお互いの意見にchallengeし合うことが少ないということだ。だから、ディスカッションもそれほど激しいものにはならない。また、基本的に教授対個々の学生、という形で進行していく。

これは従来自分が抱いていたケース・ディスカッションの印象とは大きく違うものだ。例えば、自分の中にあった典型的なイメージは、以下のハーバード留学記のエントリにあるようなものだった。

I totally disagree

だから非常に率直な印象としては、力を入れすぎていただけに「拍子抜け」すると同時に「安心した」というところ。ドラッカースクールのクラスで「あなたのご意見にはまったく同意できません」なんていう光景が見られることはほとんどない。たまにネイティブ同士で激しくやりとりしていることはあるけれども。


その要因は何だろう?とりあえず考えられるものを列挙してみると、
学生のタイプの違い(互いにcompetitiveか、cooperativeか)
教授のスタイルの違い(議論のorganizeの仕方の違い →前の記事参照)
英語力が十分でない=本格的な議論ができない層がどれだけいるか
学生の経験や優秀さ
といったところかなと思う。

②については、HBSの教授達がどのような形で議論をorganizeしているのかはよく分からない。もしかしたら、学生同士の議論が進むように、あまりクラスのフレームワークをがちがちにしないで、白熱したdiscussionを促進するような形でやってる可能性はある。例えば、今のところの僕らの授業では、一つのrecommendationを結論として採用するために激しく議論してオプションを絞り込む、といった形よりも、ケースを題材にフレームワークを吸収していくことが重視されている。前者と後者では結果は大きく違ったものにならざるを得ないだろう。

他方、もしサテー教授がHBSで10年教鞭を取っておられた時からそのスタイルは変わってなくて、それでいてHBSにいた頃のクラスは"I totally disagree"の世界だったのだとすると、主たる相違の原因は②にはないということになる。


結論として②と①③④、要するに教授側の要因と学生側の要因がどちらがウェートが大きいのかは確かなことは分からないけれど、①③④が大きな要因であることは間違いないと思う。

まず①については、カリフォルニアという土地柄のためか、はたまた規模の小さい学校であるためか、学生同士は基本的に仲が良く、あまり互いに競い合うという雰囲気はない。そのベースフォーマットがディスカッションに反映されている部分は大きいと思う。③については、自分も含め、英語力が十分でない留学生の数が結構多いため、お互いの議論を100%しっかり理解するのが難しく、議論が噛み合わなかったり不完全燃焼になることは多い。極端な話、「そもそも何言ってるか分かんないからchallengeもできません」というケースもなきにしもあらずだろう。④についても、激しい競争を勝ち残ってきたHBSの学生とドラッカースクールの学生では平均的なレベルは当然変わってくるだろう。


とりあえず、今のところこういう印象だけど、自分の英語力が上がり、さらにactiveにdiscussionに参加できるようになったとしたら(もしなれたとしたら!)、見方、というか見えるものも大きく変わってくるのかもしれない。