教授のスタイル

グラキャニ
グラキャニ posted from フォト蔵

2回目の秋学期、2週目も終わり、ようやくペースがつかめた。とりあえず週に1日は遊びに行けそうだ。ブログももう少しは書けそう。


Strategy(サテー教授)とMorality&Leadership(エルスワース教授)の授業は二巡したので、授業の進め方に関する特徴もよく分かった。何かの参考になるかもしれないので記事で残しておこうと思う。


両教授とも同じくケース・ディスカッションを授業の柱にしているのだけれど、スタイルがまったく違う。


サテー教授
○レクチャーはほとんどなし。ディスカッションの中で重要な論点が出てきたら補足的に講義する形。
○根拠とロジックのない発言は却下。よほど意義が明らかなコメントでない限り、「evidenceは?」と問いつめる。誤った議論は容赦なく誤っていることを認識させる。議論の本筋から離れた意見も排除する。
○授業の中身的には、ケース、論文、+指定の参考書の内容を超えた議論を必ず提起してくるので、非常にexiting。3時間いっぱい緊張が解けない。興味も尽きない。また、比較的古いケースばかりを使っているのにもどうやら理由がある。一通りディスカッションした後に、「後日談」を記した記事や論文を配布するのだ。その上で、実際にどのような戦略的転換を行なったか、それが企業の根本的価値観や方向性に対してどのように影響を与えているか、について鮮やかにイメージを得ることが出来る。
○全員が参加できるように、機会を最大限多くの人に与えようと配慮する。例えば、2回目の授業では、1回目の授業で十分にcontributionしたと認識されている人間は、授業の最初の辺りの比較的easyなdiscussion partでは発言が禁止された。その「embargo」の解除された時間帯でも、手を挙げ続けて目が合っても無視するほど徹底している。ちなみに、cold callは基本的にしないようだ。
○快活で発音も明瞭。エネルギーレベルは常に高く、クラスも笑いが絶えない。


エルスワース教授
○レクチャーが全体の4分の1から3分の1程度を占める。
○不明瞭な発言内容も、議論に整合的な方向に解釈を誘導して「救済」することを試みる。要するにdemandingではなく、優しさにあふれている。議論の本筋から離れたマニアックな、あるいは勘違いな意見も冷たくあしらわず、結構まじめに答えようとする。
○授業の内容は、事前の比較的多いreading内容の整理、確認、各自の経験を踏まえた深掘りが主で、「新しい発見」はほとんどない。reading自体は非常に面白い。
○cold callは一切なし。サテー教授ほどは全員が発言できるように配慮はしない。手を挙げてる人を無視することもない。
○英語がやや聴きとりにくい。彼の年齢が結構高めなこと、非常にジェントルマンで落ち着いた雰囲気の反面エネルギーレベルが低いこと、等が要因かと思われる。


という感じで非常に好対照な2人。スタイルが大きく違うので、授業に対する準備のあり方も当然変わってくるけれども、その話はまた機会があれば書こうと思う。