P/E ratioとバブル
Binay教授によるFinancial Policy & Strategyの第一回授業はFinancial AccountingとCorporate Financeの予習的内容。のはずだったが、教授の都合により休講となり、代わりに新たなreading assignmentが課された。
Analysis for Financial Management + S&P subscription card
- 作者: Robert Higgins
- 出版社/メーカー: McGraw-Hill/Irwin
- 発売日: 2005/10/31
- メディア: ペーパーバック
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ふと印象的な記述があったのでメモ。国の間でいかに会計制度が違うかという論点をdemonstrateするところで、French & Poterbaによる"Were Japanese Stock Prices Too High?"という本が紹介されている。その分析の重要な一部として、バブル期の日経index株の平均P/E ratioが、アメリカのS&P500株のそれと比べて、異常に高く、かつ短期間で異常に高騰している点について、会計制度の違い=financial statementの報告ルールの違いに着目した検討が行なわれているのだ。
3つ理由が挙げられているが、最初の一つが、連結会計絡みのお話。当時の日本では子会社の利益が切り離されていたために、親会社のearningsが過小評価され、結果としてアメリカの企業に比べてP/E ratioが高めに出ていたというもの。なるほど〜、っと非常に論理的で分かりやすい。他の二つの引当金および償却とP/E ratioに関する議論も単純明快。例えば後者は、日本の場合はtax puroseとpublic reportingで会計を分けてなかったために(アメリカ企業は明確に区別)、節税目的で加速度償却するとinome statement上の利益もそのまま減ってしまう。これもまたP/E ratioを高める要因になる。
あくまでPではなくP/E ratioの話なので、これらがバブル期の株価高騰に寄与した影響はそれほど大きくないのかもしれないけれど、一つの重要な視点かなと思った。面白いですね〜