政治的リーダーシップ

Leadership and the Quest for Integrity

Leadership and the Quest for Integrity

Part I Leadership Philosophies


Chapter 1 Political Leadership


○第一のリーダーシップ哲学は、政治的リーダーシップ


○政治的リーダーシップは、組織の本質を以下のような形でとらえることに基づいている。
・組織には分化する力がはたらく(要因: メンバーの個人的な利益の存在、リソース不足、専門性の増加、部分に囚われた物の見方)
・組織には惰性がはたらく(要因: 変化への抵抗、標準的手続(Standard Operation Procedures)、最小限の出来映えで満足する)


○権威と責任が分散し、変化への抵抗の強い組織においては、あるいは、組織はそのようなものであるという仮説の下では、リーダーは、「少しずつ、漸進的に進むこと、及び、抜け目なく水面下で画策する」政治的リーダーシップに習熟しなければならない。
・具体的には、以下のような行動が政治的リーダーシップの特徴である。


ゴールの設定、伝達
・ゴールは概括的で柔軟なものでなければならないと考える。
・議論、交渉、連携等の余地がある柔軟なものでなければ、コンセンサスを得ることはできない。
労働組合、政府、地域コミュニティ、競争相手、顧客等外部からの要求に応える上でも概括性と柔軟性が不可欠。
・競争上の施策をもらさないためにも、交渉において不利にならないためにも、従業員の士気を維持するためにも、ゴールには機密性と曖昧さが必要である。
・概括的で柔軟なゴールをいかに伝えればよいのか。ゴールは一度に伝えられるものではなく、意思決定のパターンなどによって徐々に明らかになっていくものである。


公式のシステムや組織構造との関係
・ポストや人事の政治的活用。
・組織の構造はメンバーがお互いにどれほど競争的であるかを決まる。
・アカウンティングスタッフをはじめとした本社スタッフも政治的リーダーシップの力の源泉として活用される(e.g.財務的数字の「政治的汚染」)
・組織構造の変革は、影響を受ける人々の力や利益に徹底的に注意を払い、慎重に進められる必要がある。


紛争の解決
・できるだけ紛争を回避しようと試みるか、少なくとも妥協点を交渉し衝突を弱めようとする。
・外部との関係者との間でも、契約を結び、不確実性を回避しようとする場合がある。


毎日の業務
・威嚇的でないアプローチをとり、相手を快適な気持ちにさせる。
・インフォーマルなコミュニケーションを活用する。