ステップ⑦ 短期的成果を活かしてさらに変革を推進し続ける -企業変革力(9)-
- 作者: ジョン・P.コッター,John P. Kotter,梅津祐良
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2002/04/13
- メディア: 単行本
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短期的成果を祝うのはよいが、よほど注意しなければ、危機意識を低下させ、抵抗勢力に巧妙な形で活動を再開させるきっかけにもなりうることを銘記すべきである。合理性を欠き、自己中心的で、政治的な動きによって変革に対抗する勢力が完全に消え去ることはあり得ない。彼らは、短期的成果を祝うムードの中で、あるいはそれを率先し、狡猾に変革の勢いを止めてしまうことが多い。そして、一度勢いが止まると、変革の成果は雲散霧消し、元に戻ってしまうのは容易である。
このような前進が瞬く間に止まってしまう原因は2つある。第一は企業文化に関わるもの。これは次章で述べる。第二は、「すべてのことを変えない限り、いかなる変化も進みにくくなる」という相互依存関係の増加傾向に関わるものである。
社内に存在する相互依存関係は、変革に向けた従業員の行動をスローダウンないし阻害するものであり、変革の推進をきわめて困難にする。したがって、この段階に至ると、人々はこれらの相互依存関係が本当に必要なものであるか否かについて疑問を呈し始める。これらの疑問が効果的に吸い上げられ、調整される場合には大きな効果が期待できる。つまり、無意味な歴史的な相互依存性が排除されることによって、変革の推進は容易になる。
成功を収める大規模な変革の第七段階で進行すること:
○短期的成果によって得られた勢いを利用し、さらに数多くの変革が推進される。
○さらに多くの人材が支援に加わる。
○経営幹部によるリーダーシップが発揮される。
○組織の下部に属する人材が個々のプロジェクトを効果的にマネージし、リーダーシップを発揮する。
○不必要な相互依存関係を減少させる。