Emotional Intelligence (1)

セルフマネジメントの予習です。
幸い日本語版を持っていたので助かりました。

EQ 心の知能指数 by ダニエル・ゴールマン

旧ブログでもこの本に関する記事を書きましたが、授業に向けて改めて精読してみようと思います。

1. 情動emotionの力
情動の力は極めて強力。人間の本質を捉える上で、情動の力は必ず視野に入れなくてはならない。

情動の力の源泉は、人間の脳の基本構造、すなわち、過去5万世代に渡って形成された神経回路にある(生物学的要素)。ただし、情動をいかに表現するかは、個人的な経験や社会の文化によってもある程度影響される。

私たちの頭の中には二種類の知性two mindsが存在する。①感じる知性(心で感じること) emotional mind[情動]と、②考える知性(頭で考えること) rational mind[理性]。何かが正しいと「感じる」ときは、頭でそう「考える」ときよりも確信が一段と強いように思われる。また、情動と理性は相反する力関係にあって、情動が強ければ強いほど、理性は無力になる。

2. 脳のメカニズム
情動が理性を圧倒するメカニズムは、脳の進化の過程の中で形成されてきたものである。何百万年にもわたる生物の進化の中で、脳は最も原始的な部分の上に進化した部分を建て増しする形で発達してきたのである。そのため、情動を支配する最も原始的な脳が決定的な部分を握っており、「緊急事態」においては情動をつかさどる辺縁系が理性をつかさどる新皮質を抑え込んでしまうのである。

①最も旧い部分: 脳幹brainstem
・脊髄の上端を取り巻いている。
・呼吸や代謝など生命維持の基本機能を調節し、また、あらかじめ決まっている反応や動作をコントロールする。考えたり学習したりする機能は持たない。

②脳幹を取り巻くベーグル上の部分: 大脳辺縁系cerebral limbic system / limbic cortex
・においを認識する嗅葉から発達。
・情動を支配する部分。大脳辺縁系が脳に独自の感情機能をもたらした。
大脳辺縁系は、進化につれて「学習」と「記憶」の能力を向上させていく。

③最も外側にある部分: 大脳新皮質brain neocortex / cerebral neocortex
・理性をつかさどる部分。