ライブドア強制捜査(1) 証取法と自民党

日本のマスコミが大騒ぎしている様子が目に浮かびますね。

○事件の概要

見て回った感じだとこの中日新聞の記事が一番良くまとまっているようです。

ライブドアの株価も大幅に下がっているようで、同社はもちろんのこと、フジテレビを含む諸方面に影響が出そうですね。僕自身は乏しい知識しかありませんが、ここの記事によれば、ライブドアの経営にも相当な影響が出そうです。ホリエモンの帝国も瓦解してしまうのでしょうか。


証取法上の論点

証取法にはまったく知見がないので、いい機会だと思ってちょっと調べてみました。

[証券取引法]
第158条
何人も、有価証券の募集、売出し若しくは売買その他の取引若しくは有価証券指数等先物取引等、有価証券オプション取引等、外国市場証券先物取引等若しくは有価証券店頭デリバティブ取引等のため、又は有価証券等の相場の変動を図る目的をもつて、風説を流布し、偽計を用い、又は暴行若しくは脅迫をしてはならない。
第197条
次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
1〜6(略)
7 第157条、第158条、第159条第1項若しくは第2項(これらの規定を同条第4項及び第5項において準用する場合を含む。)又は同条第3項(同条第4項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
風説の流布」についてはいくつか分かりやすい情報がありましたが、「偽計」については有益なものが見つかりませんでした。定義がよく分かりません。とりあえず風説の流布について、ご参考まで。

○亀井氏の意趣返しと党の責任論

9月の衆院選で「刺客」候補を立てられてしまった亀井静香氏が意趣返し的コメントをしているのも面白いです。気持ちは分かりますが、小泉構造改革全般の否定につなげるのはあまりに飛躍のしすぎですね。

とはいえ、たしかにこの場合「党の責任」はどう考えればいいのでしょうか。と考えてしまうところですが、小泉首相の切り返し方は見事です。支援を行なった基準は郵政民営化を指示する候補であるかどうか、という点にあるのであって、ライブドアの経営体質や本人の資質を全般的に考慮して判断したわけではない、と、判断基準を明確に示しつつ今回の件は判断の外だと言い切っているわけですが、少なくとも理屈の上ではきれいです。おまけに公認していないわけですから、なかなかこれ以上突っ込みようがない気もします。プレゼンの名手小泉総理の面目躍如というところでしょうか。

他方で、その直前の記者会見で漏らされた二階経済産業相のコメントはつっこみどころが満載で、残念ながら小泉首相の発言との整合性も取れていません。

これら一連の政権政党内でのバタつき方を見ても、この家宅捜索が事前に周到に準備されたものor何らかの陰謀的なものでないことは明らかで、

本日1/17はいくつかの大きなニュースがありましたが、ライブドア
事件がほとんどのマスコミでトップ記事になりました。
他のニュースをかき消すために、昨夜の家宅捜索だったというのは
勘ぐりすぎでしょうか。
という「ト→クに使える日経ネタ」の記事はまさに「勘ぐりすぎ」でしょうね。